熊本県
やまがおんせん・さくらゆ
山鹿温泉・さくら湯
唐破風の荘厳な建物が印象的
熊本県の山鹿温泉は、古くから知られている歴史ある温泉地です。その温泉地の中でも異彩を放っているのが唐破風のとても重厚な雰囲気漂う「さくらの湯」です。ここは古い歴史建造物のような佇まいを見せているので、さぞかし古い時代のものだろうと推測しがちですが、実は比較的近年になって建てられた建物です。明治時代に四国の道後温泉を模して温泉街が作られた歴史があり、その当時の浴場を再現すべく平成24年(2012年)に建てられたのが、この「さくら湯」です。前々から気になってはいたものの、入浴するのは今回が初めてです。国道沿いにある浴場ですが、国道側は裏口となっていて、入口は反対側の路地側にあります。重厚な入口を入ると受付があり、そして浴場へと向かいます。なるほど、外観もそうだけど内部も道後温泉を彷彿させるような雰囲気です。模して造られたというのは納得の雰囲気ですね。浴場に入るととてもゆったりとした空間があります。ゆったりと大きな湯舟があり、天井も高く、内湯ながらも開放感のある佇まいです。脱衣場よりも少し低い位置に浴室があり、階段を下りていくのですが、階段下にはかかり湯があり、手前側には内湯、そして壁の奥へと進むと洗い場がありました。内湯と洗い場は壁で区切られているのものの、どちらもゆったりと広めです。今回は平日の朝に訪れたこともあり、ほぼ貸切状態でした。まさか貸切状態だとは思っていなかったので、このゆったりと風情ある浴場を独占できたのは感動ものです。湯舟はけっこう大きいのですが、その中央に囲われた白い大理石の部分が気になります。近づいていくと、その中の部分は少しお湯の温度が高めに感じます。内側に入るとその底の湯口から湯が注がれていました。湯口に近い分だけ、温度が高めになっているようでした。壁には「温泉湧出口。お湯が自噴していた頃を再現しています。」と書かれています。情報量が少ないのでこれだけ見ると意味不明ですが、推測するに、かつては自噴していてその湧出口がこのような形になっていたのでしょう。現在は源泉は管理されていて、調整しているようです。お湯はほとんど無色透明の湯です。浸かっているとツルツルとした滑らかな浴感が全身を包み込むので、本当に気持ちがいいです。ずっと肌を撫でていたくなるようなツルツル感がいいですね。通り沿いにあるので、たまに道路を走る車の喧騒が気になりますが、そんなにうるさいというほどの音は聞こえてこないので、本当に静かで静まり返った感じがありました。また、壁には地域の企業の看板が並んでいます。少し古臭さを演出したような看板もありますが、現代風のものもあります。地域の共同湯らしさを演出していていいですね。また、湯舟の先にも洗い場がありますが、そこには大きなくまモンがいました。何故こんなところにいるのか不思議ですね。それから気になるのが、その浴室の奥側にも脱衣場があることです。つまりは国道側にも脱衣場があるのです。普段は閉鎖されている国道側も、場合によっては解放されることがあるのかもしれません。また、こちらには脱衣所の入口に飲泉場がありました。路地側の脱衣場には無かったので、飲泉する場合は浴室を通ってこちらの脱衣場に入って飲泉するようです。なんだかとても不思議な構造です。しばらくこの素晴らしい雰囲気の浴場を楽しみましたが、ほぼ貸切状態で利用でき、非常に優雅な雰囲気を楽しめました。新たな観光名所として、これからもっと盛り上がっていくのだろうなと感じました。
掲載: 2024/09/29
Data
- 所在地:熊本県山鹿市山鹿
- 入浴 :2024年7月
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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