北海道
えべおつおんせん
えべおつ温泉
大正10年創業、源泉かけ流しの素朴な天然温泉旅館
JR函館本線の江部乙駅のすぐ目の前にある「えべおつ温泉」を訪れたのは、8月中旬のお盆真っ盛り。昨日まで気温も高く暑くてとても北海道とは思えない状況だったのですが、今日は曇天でわりと過ごしやすい日です。それでも旭川周辺は盆地で暑くなりやすいので、やはり北海道らしい清涼感はありませんでした。けっこう蒸し暑くて汗だくになってきたので、「えべおつ温泉」でさっぱりすることにしました。ここは温泉旅館ですが、地域の銭湯のような顔も持っているようで、気軽に日帰り入浴が楽しめます。ちょうど正午ぐらいに訪れましたが、すでに何人かの入浴客がいるようです。わりと小ぢんまりとした旅館で、中に入ると正面に帳場があり、そこで入浴料を支払って利用します。右手に進むと浴場があるようです。浴場入口前にはちょっとした休憩ロビーもありました。小さくローカルな旅館という感じの懐かしい雰囲気がありました。脱衣場に入ると、こちらはけっこう狭い印象です。棚にはカゴがあり、数からしてそんなにキャパがあるわけでもなさそうです。手前にロッカーもありましたが、利用する際には受付で申し出て利用するようです。特に貴重品も無かったので、そのままカゴを利用しました。浴室に入ると、こちらはまさに銭湯って感じの雰囲気です。正面に洗い場のシマがあり、男女を隔てる壁側にいくつかの湯舟が並び、また、奥にも湯舟があります。出入口脇にはサウナもありました。洗い場はけっこう狭いけど、数はそれなりにあります。上部に固定式のシャワーのあるタイプで、一部にはホース式のシャワーもありました。ボディソープやリンスインシャンプーも用意されているのは、銭湯ではなく旅館の浴場らしさが出ています。壁側の湯舟は小さく区切られていて、サウナ側にあるのが源泉浴槽のようで、冷たい水風呂タイプとぬるま湯タイプが並んでいました。このふたつの湯舟は薄茶色をして濁っています。透明度は40センチくらいでしょうか。鉄分というかミネラル臭がけっこうします。その脇には寝湯やジェットバスがありましたが、無色透明の湯だったので白湯のようです。浴室の一番奥には上下二つの湯舟があり、こちらも薄茶色をした湯です。上部の方は熱い湯が注がていて高温、下の湯はそれのオーバーフローが注がれていて、低温となっていました。低温は体感で38度くらい、高温は表面だけが熱くて底の方はぬるめだったので、攪拌させると41度くらいでしょうか。ちょうどいい温度です。湯はほんの少し塩味がする感じで、わりとマイルドな印象です。ぬるめの湯にじっくりと浸かりながら、ボーッと過ごせる感じです。浴室には外の景色が見えるような窓もなく、まさに銭湯のような閉鎖的な空間です。男女を仕切る壁側には大きな滝の写真がパネルで飾られていました。ゴチャゴチャとした無機質な浴室に、癒しの一枚という感じです。でも、その分だけシンプルといえばシンプルなので、すごく落ち着く浴室です。サウナの利用者ものんびりと水風呂に入ったり、椅子に座って休んだりと、まったりと過ごしているようでした。皆さんは常連さんなのでしょうか、手慣れている感じが行動から見て取れました。とてもローカルな雰囲気が楽しめる温泉銭湯という印象でした。駅からめちゃくちゃ近いので、旅の拠点としても、ビジネスでも利用勝手の良さそうな雰囲気がありました。
掲載: 2024/11/14
Data
- 所在地:北海道滝川市江部乙町西
- 源泉名:2号井
- 入浴 :2024年8月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(低張性弱アルカリ性低温泉)
- 泉温 :源泉30.2度
- PH :7.6
- 電気伝導率:0.86S/m
- 密度 :1.0019
- 蒸発残留物:5.300g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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