静岡県
ゆのはまおんせん・やすだやりょかん
湯の浜温泉・安田屋旅館
国有形文化財に指定されている古風な温泉宿
伊豆半島の付け根、内浦湾の三津海水浴場のすぐ目の前にある安田屋旅館は、創業明治20年(1887)という老舗の温泉旅館です。とても古風な佇まいで、国の有形文化財にも指定されている宿だそうです。また、文豪太宰治が１ヶ月ほど逗留して執筆活動を行ったことでも有名な旅館です。今回は沼津周辺を散策中に立ち寄りで入浴してきました。宿はホントに立地が良くて、すぐ目の前にビーチがあります。瓦屋根の重厚な雰囲気の玄関で、歴史を感じる佇まいが印象的です。さっそく館内に入ると帳場で受付をして、浴場の案内を受けました。浴室は館内のちょっと奥にあるようです。案内に従って進んでいくと、一旦館外に出て渡り廊下を進んで浴舎に進みます。小ぢんまりとした雰囲気の宿ですが、和風旅館らしい落ち着いた感じがあります。浴舎に入ると、１階と２階に浴場がわかれ、男湯は２階にありました。定期的に男女が入れ替わるのかもしれません。階段を登るとすぐに男湯があり、その奥に貸切風呂もありました。脱衣所に入ると小ぢんまりとしながらも明るく清潔的な印象があります。窓から外を覗くと正面に富士山が見えました。海越しの富士山はとても優雅で品があり、なかなかの景色です。浴室に入ると、こちらも小ぢんまりとしていて、大きな湯舟がひとつ、そして脇に洗い場があります。かなりシンプルな感じです。ただ、湯舟からは富士山を眺めることができません。海側にある洗い場からは窓越しに見えますが、湯舟に浸かってしまうと景色が見えないのはとても残念です。洗い場から見えるということは、工夫次第で何とかできる気もするのですが、どうなのでしょう。湯は無色透明のサラッとした湯です。石臼のような湯口からお湯がトロトロと注がれていますが、循環式のようで湯舟からは溢れる気配はありません。温泉分析表を見ると、メタケイ酸を含む温泉のようです。また、どうやら伊豆市の方からの運び湯のようでした。浴室の奥には扉があり、露天風呂もあるようです。さっそく外へと出てみると、階段がありそこから降りたところに小ぢんまりとした岩風呂がありました。こちらはさらに奥にあるため、景色はなく、森の中の湯という感じでとても静かで落ち着いた印象がありました。「満願」と書かれた立札があり、脇にちょこんとお地蔵さんが立っていました。小ぢんまりとした湯舟ながらも、雰囲気はとてもいいです。また、内湯よりも少し温度が低めになっていて、まったりと寛ぎながら湯舟に浸かることができました。とても小さな旅館ですが、けっこう人気があるようで、入浴客が絶えない状況でした。日曜日に訪れたこともありますが、入浴客は温泉ファンだけではない様子です。玄関周りにも沢山のアニメのポスターなどがあったのですが、どうやら「ラブライブ！サンシャイン！！」というアニメの中に出てくるキャラクターの実家という設定になっているそうです。駐車場で隣に停まっていたクルマもアニメキャラが沢山乗っていたので、おそらくアニメのファンなんでしょうね。意外な集客効果でずいぶんと盛り上がっている様子でした。幅広い年齢層、そして客層に支持されている温泉宿なんだなと感じました。
掲載: 2025/05/22
Data
- 所在地:静岡県沼津市内浦三津
- 源泉名:原保温泉 原保１号
- 入浴 :２０２５年１月
- 泉質 :温泉法第二条の規定により適合する温泉(メタケイ酸)
- 泉温 :源泉24.8度
- 湧出量:毎分164リットル
- ＰＨ :９．２
- 電気伝導率:16.59mS/m
- 密度 :0.9986
- 蒸発残留物:0.122g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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