栃木県
かわじおんせん・いちりゅうかくほんかん
川治温泉・一柳閣本館
パノラマ景色を楽しめる開放的な大浴場
栃木県を代表する大温泉地「鬼怒川温泉」。その少し先にある素朴な温泉地が川治温泉です。川治温泉は鬼怒川温泉の陰に隠れてしまってあまり目立たない感じの温泉地ですが、古くから湯治客で賑わう歴史ある温泉地です。開湯は江戸時代中期の享保年間と言われていて、上流の五十里湖の決壊による氾濫後に発見されたのが始まりとのことです。現在はいくつかの宿が建ち並び、地味ながらも活気のある温泉地となっています。今回は「一柳閣本館」という大型のホテルに宿泊でやってきました。一柳閣本館は1934年創業という老舗の温泉旅館でしたが、時代のニーズの変化に対応できず、2008年に破産。いつの間にやら伊東園ホテルズのグループになっていました。チェックインを済ませたところで、さっそく浴場に向かいます。建物は「柳の館」と「花の館」と二つ並んでいて、それぞれに浴場を備えています。まずは柳の館の5階にある露天風呂に向かいました。脱衣所を抜けるとすぐに屋外になり、そしてその先に湯舟がありました。内湯はなく、本当に露天風呂だけがありました。この日は2月中旬ですが、昨夜から雪が降り続いていて、うっすらと雪景色を楽しみながらの入浴となりました。露天風呂ですが、屋根はあるので雪が降っていても問題なく利用できました。露天風呂のすぐ外側は男鹿川が流れていて、川を見下ろすような景色となります。対岸は山になっていて、夏なら緑を、秋には紅葉を眺めることができそうです。今回は水墨画のようなモノトーンの雪景色を楽しむことができました。見下ろすと対岸にある薬師の湯も見えます。日曜日の午後でしたが、入浴客は見えませんでした。それにしても落ち着く風景です。冷たい空気と温かい露天風呂で、すごく気持ちよく浸かることができました。続いて花の館にある大浴場に向かいます。こちらは建物の12階にありました。どうやら最上階にあるようです。ちなみに女湯は11階のようです。エレベータに乗って向かおうとしましたが、ここのエレベータはとても小さいので、なかなか来ないし、来てもいっぱいのときがあります。面倒なので階段で登ってみることにしました。散歩気分で階段で上がりましたが、さすがに12階はキツイですね。こちらは大浴場というだけあって、とっても大きくてゆったりとしています。脱衣場もかなりの広さがあり、すごく余裕を感じます。そして浴場に入ると、こちらもゆったりととても大きくて広いです。正面に大きな湯舟があり、さらに左奥へと行くと壁側に洗い場、そして少し小さめの湯舟がありました。外側はガラス窓になっていますが、斜めに傾斜しています。採光豊かでとても明るいのですが、ガラスは薄い色の曇りガラスなのか、くっきりとした景色ではなく、淡い景色が眺められる感じです。今回は雪景色であったため、それがまたとても風情を盛り上げてくれていました。また、12階というかなり高い位置からの眺めなので、展望台にいるような感じで外を眺めることができます。湯舟の湯は無色透明の綺麗な湯です。少しぬるめの湯だったので、すごくマイルドさが増して、まったりと過ごすことができます。微妙にツルッとした滑らかさを感じるので、とても感触もいいです。ボーッと雪景色を眺めながらのんびりと浸かっていると、しっかりと汗も出てくるので、よく温まって気持ちが良かったです。さすが名湯と呼ばれる湯だけあるなと感じました。大型のホテルなので、それなりに客は多いですが、浴場はとても広いので混雑する時間をずらせば快適に過ごせます。このゆったりと開放感を楽しみながら、のんびりと過ごせてすっかり癒されました。
掲載: 2025/06/19
Data
- 所在地:栃木県日光市川治温泉高原
- 源泉名:川治共同源泉
- 入浴 :2025年2月
- 泉質 :単純温泉(低張性弱アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉40.8度
- 湧出量:毎分200リットル
- PH :7.9
- 電気伝導率:0.052S/m
- 密度 :0.9985
- 蒸発残留物:313mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :筋肉・関節の慢性的な痛み又はこわばり、冷え性、疲労回復など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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