群馬県
なんごうおんせん・なんごうのまがりや あしゆ
南郷温泉・南郷の曲屋 足湯
重要文化財に併設する穴場的で快適な足湯
南郷温泉しゃくなげの湯を訪れた後、すぐ目の前にある「南郷の曲屋」という施設が気になりました。浴後の散歩にちょうどいいなと立ち寄ってみることにしました。この曲屋は看板には旧鈴木家住宅と書かれています。どうやら古民家の資料館のようです。この資料館の中には足湯もあるというので、さっそく入ってみることにしました。受付をすると、その受付のおばあさんが、館内を案内してくれました。この鈴木家とは、当地に熊野神社を建設するために神官として来村し、そのまま定着し、代々名主を務めてきたのだそうです。ちなみにこの周辺に住んでいる方はみんな鈴木さんなんだそうです。そしてこの古民家ですが、市の重要文化財として保護され公開されていますが、ちょっと前まで実際に人が住んでいたのだそうです。茅葺屋根の大きく立派な建物で、中に入ると土間の脇には囲炉裏があり、脇にはカマが並び、そして厩 もあります。囲炉裏には火が炊かれていて、館内がもくもくと煙が充満しています。この囲炉裏は冬でも夏でも一年中炊かれているそうで、茅葺屋根をいぶして建物を保護する目的もあるそうです。茶の間をあがり、奥へと行くと客間がありました。欄間がとても精巧に彫られて、とても見事でした。その他、蔵などを見学した後、最後に足湯に行きました。足湯は後から作られたもので、とても真新しさを感じました。この古民家とは直接的な関係は無いようです。屋根のある側と無い側のふたつの湯舟があり、けっこう立派で大きな足湯です。屋根のある側には中央に木造の樋のようなものがあり、そこから湯が足湯へと流れています。ちょうど足湯に浸かると手を浸けるのにちょうどいい高さにありますが、手を入れてみるとこれがまたけっこう熱くて、とても長くは浸けていられませんでした。足湯もまた温度は高めで、なんともちょうどいい気持ちいい感じです。お湯は無色透明の湯で、ツルツルスルスルとした滑らかなアルカリ性の湯です。温泉分析表が受付脇にあったので確認すると、どうやら「しゃくなげの湯」と同じ源泉のようです。ほんのりと硫化水素の香りの漂う、とても軽やかな湯で、足湯だけでも十分にそのポテンシャルを感じるほど、個性的な湯です。他に利用者もなく、ずっと貸切状態で楽しめました。けっこう穴場的な足湯ですが、とても綺麗な状態でしっかりと管理されているので、清潔感もあり、とても過ごしやすいです。足湯目的で文化遺産の見学も有りかと思います。案内のおばあさんもとても丁寧で、感じのいい人だったので、是非ともおススメします。
掲載: 2025/08/04
Data
- 所在地:群馬県沼田市利根町日影南郷
- 源泉名:しゃくなげの湯
- 入浴 :2025年4月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
- 泉温 :源泉55.5度
- 湧出量:毎分320リットル
- PH :9.4
- 電気伝導率:63.3mS/m
- 密度 :0.9986
- 蒸発残留物:0.40g/kg
- 形態 :共同資料館内の足湯 男女混浴
- 脱衣所:なし
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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