佐賀県
うれしのおんせん・きせんかん
嬉野温泉・嬉泉館
信楽焼のたぬきが見守るかけ流しの湯
嬉野温泉は佐賀県を代表する大温泉地のひとつで、多くの旅館やホテルが立ち並ぶ、活気ある温泉地です。温泉の歴史も古く、奈良時代の文献にも登場するなど、かなり古い時代から利用されてきているようです。今回は旅の途中、嬉泉館に立ち寄り入浴で訪れました。この宿は小ぢんまりとした旅館ですが、「九州八十八湯めぐり」のひとつに選ばれているなど、ホンモノの温泉と認められた実力派の温泉宿です。今回も楽しみにやってきました。この宿は規模も小さく、また宿泊状況によっては立ち寄り入浴が出来ない場合もあるので、事前に電話連絡するようにホームページ書かれていたので、事前に予約をしてやってきました。辿り着くと、何やら館内は賑やかです。どうやら法事か何かあるようで会席が行われているようでした。入浴の受付をしてさっそく浴場に向かいます。浴場は館内を奥に進んで、階段を降りたところにありました。脱衣所はわりと簡素という素朴な雰囲気があり、こちらも小ぢんまりとした印象です。浴室に入るとこちらはわりとゆったりとした印象があります。手前と奥とふたつの岩風呂があり、岩の上には大きな信楽焼のたぬきが立っていました。石垣風の壁に岩風呂の内湯のみの素朴な浴場ですが、なんとこれらはかけ流しで温泉が楽しめるようです。お湯はトロトロと注がれ、端から溢れ出て流れていました。さっそくかぶり湯をしますが、けっこう熱めです。注がれている湯がそれなりに熱い湯のようです。源泉温度は83度もあるようなので、少しずつ投入して、かけ流しを行っているようです。湯舟は手前側が少し大きく、奥側は小さめの湯舟です。同じように注がれていますが、奥側の方が小さい分だけ冷めにくいのか、さらに温度が高めのように感じました。それでも、浸かっていられないような温度ではないので、じっくりと浸かってみます。しばらく浸かっていると、ジワジワと汗がにじみ出てきます。そして何よりもツルツルスルスルとした、嬉野温泉特有のなめらなか浴感がとても気持ちいいです。肌の表面だけがヌルっとするぐらい、しっかりとツルツル感が味わえるのが特徴的です。浴室は内湯だけなので水風呂などが欲しくなりますが、しばらく浸かったら上がって休憩し、汗がひいてきたらじっくりと浸かることを繰り返して楽しみました。でも、すごく温まりのいい湯のようで、なかなか汗はひかないのも特徴的です。街中にある旅館なので、景色などは眺められませんが、奥側は石灯籠のある小さな坪庭になっていて、風情ある佇まいを演出しています。そのためか、内湯のみなのに、妙に居心地のいい浴室に感じました。しばらく浸かったところであがりますが、浴後もいつまでもポカポカと体を熱く感じるほど、よく温まりました。また、肌もツルツルと滑らかになり、さすがは嬉野温泉だと、心まで嬉しくなるホンモノの温泉でした。
掲載: 2025/08/26
Data
- 所在地:佐賀県嬉野市嬉野町下宿
- 源泉名:白川源泉
- 入浴 :2025年4月
- 泉質 :ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
- 泉温 :源泉83.5度
- 湧出量:毎分85.6リットル
- PH :8.3
- 電気伝導率:0.1808S/m
- 密度 :0.9988
- 蒸発残留物:1.204g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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