新潟県
まつのやまおんせん・まつのやまおんせんせんたー「たかのゆ」
松之山温泉・松之山温泉センター「鷹の湯」
まさに薬のような薬効高い湯
松之山温泉は新潟県十日町市、冬場は豪雪地帯になるという山里にある素朴な温泉地です。山あいにある素朴な温泉地ですが、いくつもの宿が連ねるなど、とても人気と活気のある温泉地です。開湯の歴史も古く、南北朝時代に傷ついた鷹が湯浴みしていたのを見つけたことから発見されたという伝説が残っているそうです。今回は温泉街の奥にある「鷹の湯」という温泉浴場を訪れました。何度も来たことのある松之山温泉ですが、この鷹の湯に入るのは今回が初めてです。わりと人気のある温泉施設のため、うまくタイミングを見計らないと混雑必至かと思っていたからです。今回はゴールデンウイーク明けの週末、スキーシーズンも過ぎてどちらかというとシーズンオフだろうと見込んで、訪れてみました。すると、やはりその狙いが当たったのか、温泉街にも客は少なめ、温泉施設の駐車場も空いています。これはラッキーですね。建物はそんなに大きくはありませんが、がっちりとした頑丈そうな感じがあります。館内に入ったところに番台と自動券売機がありました。さっそく入浴券を購入して番台に見せると、どうぞそのまま入って進んでくださいとのことです。館内に上がると、ちょっとしたロビーがあり、番台横に浴場入口があります。そしてその浴場入口には自動改札機がありました。先ほどの入浴券のバーコードをセンサーにかざすと、ゲートが開くシステムとなっていました。ゲートの先には男女別に暖簾が揺れていて、中に入ると脱衣所となっていました。脱衣所には鍵付きのロッカー、そして木造棚が並ぶ、とてもシンプルなものです。そしてさっそく浴室に入ります。まずは内湯がありますが、浴室に入った途端にまず独特の温泉臭が鼻をつきます。ガスっぽいというか、油っぽいというか、そんな刺激的な匂いですが、不思議と嫌な感じではありません。壁側には洗い場があり、そして大きな湯舟がひとつあります。洗い場にはボディソープやリンスインシャンプーも用意されていました。素朴な共同湯スタイルでありながらも、観光客も多いのでサービスも充実している印象です。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、湯はほぼ無色透明ですが、微妙に濁りのある湯でした。そしてけっこう熱めの湯です。湯口部分には「熱湯注意」と書かれています。かなり熱めの湯が注がれているのでしょう。温泉分析表を見ると源泉温度は88.7度とあるので、かなりの高温なんですね。それでも湯舟では少し熱めぐらいに調整されているようでした。湯はけっこうしっとりとした少し重たい感じの湯です。舐めてみるとしっかりとした塩分を感じます。塩辛いぐらいの濃厚な塩味です。かつてはこの湯から塩を製塩していたこともあるそうで、そのくらい塩分の強い湯です。こんな山のど真ん中で塩辛い湯というのも不思議な気もしますが、1千万年以上前の太古の海水が起源となっていて、地中に閉じ込められ熟成して、現在温泉として湧き出しているそうです。塩分濃度がとても高いので、草津、有馬と並んで日本三大薬湯と呼ばれることもあるそうです。確かに、このお湯の雰囲気は只者ではないくらいのポテンシャルを感じます。浴場の外側には露天風呂もあるようです。外側の扉を出ると階段で下がったところに湯舟がありました。こちらも内湯と同じように熱い湯ですが、外気を感じながらなので意外と気持ちよく浸かることができます。また、脇には小さな川が流れ、正面は高い崖となっています。雪解けで増水した川と、対岸にまだ残る雪を眺めながら、気持ちよく露天風呂を満喫することができました。けっこう濃い湯なので、あまり長湯をすると湯あたりを起こしそうなので、うまく休憩しながらじっくりと楽しんできました。料金も安く、雰囲気もとてもよく、お湯もまた特徴的で、まさに三拍子揃った楽しい温泉です。山奥ながらも人気があるのも納得の湯でした。
掲載: 2025/09/04
Data
- 所在地:新潟県十日町市松之山湯本
- 源泉名:鷹の湯 混合泉
- 入浴 :2025年5月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉)
- 泉温 :源泉88.7度
- 湧出量:毎分882リットル
- PH :7.8
- 電気伝導率:1.18S/m
- 密度 :1.0097
- 蒸発残留物:19420mg/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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