熊本県
ゆのうらおんせん・ゆのうらおんせんせんたー
湯浦温泉・湯浦温泉センター
細かな演出がたまらない和風温泉
熊本県の南部、八代海に面した芦北町は、柑橘類、特にデコポンの産地として有名な静かな町です。週末をのんびり過ごそうと、ドライブついでに遊びに来ました。宿は温泉の無いビジネスホテルに泊まりましたが、翌朝に肥薩おれんじ鉄道の湯浦駅から北西に進んだところにある湯浦温泉センターに向かいました。温泉センターという名称からして鉄筋のビル型の温泉施設を想像していたのですが、辿り着いてみると木造瓦屋根の古風な建物です。規模もそんなに大きくはありません。そんなに古くはなさそうなので、和風を意識した情緒を演出しているようでした。まさかこんな風情ある温泉施設とは思っていなかったので、ちょっとワクワクしてきます。玄関を入ると自動券売機と受付があります。料金がまた格安で、とても驚きます。館内はすぐ目の前に浴場入口があり、その前にはちょっとした休憩ロビーがありました。木目の鮮やかな木造の素朴な雰囲気がいいですね。脱衣所もゆったりとしています。手前側に簡易的な棚とカゴ、奥に10円玉利用のコインロッカーがありました。とてもしっかりと管理されていて、清潔的な印象です。浴室は内湯のみですが、こちらもまた規模は小さいもののゆったりとしています。天井が高いのでとても開放感がありました。手前側に洗い場が5か所ありますが、ボディソープやシャンプー類は用意されていません。普通の銭湯のようにお風呂道具は必須ですね。湯舟は浴室の幅いっぱいに広がり、とってもゆったりとしています。湯舟がひとつだけでとてもシンプルな浴室ですが、妙にしっくりと馴染む感じで落ち着きます。シンプルながらも、床から湯舟までサラサラとした感触がとても心地よい石タイルです。砂岩でしょうか、キメ細かさがしっくりときます。湯舟の湯はほぼ無色透明の綺麗な湯です。微妙にクリア感に欠ける気もしますが、ほとんど無色透明です。浸かるとスルっと微妙に滑らかさを感じる湯です。匂いは特になく、とてもサラサラとした印象がありました。温度も熱くなくぬるくもなくちょうどいい感じです。角にある湯口から湯がトロトロと注がれ、それなりに湯舟からも溢れている感じです。湯舟に浸かったときに、ドワーッと湯が溢れ出たので、かけ流しになっているようです。湯量が豊富でないとできない贅沢ですね。幸い誰も利用者がなく、とても静かで落ち着く感じがありました。見上げると木造の天井の梁がすごいです。太い梁が縦に横にと交差していて、がっちりと建物もを支えているようです。また、窓は少し高い位置に曇りガラスがあるのですが、よく見ると和紙風のガラス窓です。センスがいいですね。さらに壁がコンクリートの打ちっ放しなのですが、細かな模様があります。なんと畳の模様です。コンクリートを打つときに畳表を敷いているのでしょう。少しシワがあったりして、ナチュラルな雰囲気があります。ずいぶんと手の込んだ演出をしています。全体的にとてもシンプルで素朴なのに、細かなところまでコダワリを感じるところが、とても感心しました。じっくりとお湯の流れる音を聞きながら過ごしましたが、本当に静かで利用者も少なくてのんびりできました。日曜日の午前中だったのですが、意外と穴場の時間帯なのかもしれません。地元の方が多いとは思いますが、気軽に利用できる格安の温泉で、しかもかけ流しで優雅に過ごせる、そんな贅沢な温泉でした。
掲載: 2025/10/19
Data
- 所在地:熊本県葦北郡芦北町湯浦
- 入浴 :2025年6月
- 泉質 :単純温泉(低張性弱アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉41.3度
- PH :8.4
- ラドン含有量:0.13×10-10Ci/kg
- 電気伝導率:0.0399S/m
- 密度 :0.9985
- 蒸発残留物:0.278g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆
温泉レポートを検索








