鹿児島県

いちひのおんせん・かみのゆこうしゅうよくじょう

市比野温泉・上之湯公衆浴場

• 
• 
• 
• 
• 
• 
• 
• 

鹿児島市の北西、川内市樋脇町にある市比野温泉は、歴史ある温泉地です。薩摩藩の藩主、島津光久が猟を楽しんでいたときに見つけた温泉と言われていて、湯治場として栄えた歴史があるそうです。今でも派手さのない地味な温泉地ではあるものの、いくつもの旅館や入浴施設もあり、活気ある温泉地のひとつです。温泉街には上之湯、下之湯のふたつの公衆浴場があり、今回は上之湯に入ってきました。以前に通りかかったときに立ち寄ろうとは思ったのですが、大きな駐車場がいっぱいになるほどだったので、諦めたことがあります。今回も訪れてみると、駐車場はほぼ満車状態ですごい賑わいです。今回は平日の午前中だったのですが、そんなに混雑するのはおかしいと、入浴してみることにしました。ここは建物はとても大きいですが、保健福祉センターと併設しているためで、浴場が大きいわけではないようです。入口は駐車場のある裏側から入りました。入口で履物を脱ぎ、エレベータで１階に降りると浴場入口があります。男女の脱衣所入口前に番台と自動券売機がありました。さすがに市営の公衆浴場だけあって、めちゃくちゃ料金が安いです。シャンプーや石鹸類は用意がないので、各自で持ち込むようです。脱衣場はけっこう狭いです。手前側と奥まったところに棚とカゴがあり、また一部には簡易的な鍵付きの木造ロッカー、そしてコイン返却式のコインロッカーもありました。スペースが広くないので、何人かいると窮屈なぐらいです。浴室も小ぢんまりとはしているものの、わりとゆったりとしていました。右壁側に洗い場がズラッと並び、左側には大きな湯舟があります。正面には円形のかかり湯があり、けっこうシンプルな感じではあります。そして、たしかに浴場内はたくさんの入浴客がいましたが、そんなに混雑するほどではありせん。どうやら保健施設でのイベントに参加している方々もけっこういるみたいです。また、タイミングが悪かったのか良かったのか、こちらが入ったあと続々と他のお客さんは出ていきました。一瞬だけ貸切状態になるほどでした。浴室はとてもシンプルながらも、湯舟はとても大きくて、いくつかにわかれています。まず大きい湯舟は「ぬる湯」と「あつ湯」とに分かれていました。奥の角に湯口があるのですが、あつ湯の方にたくさん流れ込むようになっています。また、あつ湯とぬる湯は仕切りの一部が繋がっていたり、表面の湯も行き来をしているので、ある程度は混ざりあっているようです。ほとんど無色透明の湯は、あっさりとしながらもスルスルと滑らかな印象もあります。癖の少ないアルカリ性単純温泉ですが、しっかりと掛け流されているので、嫌な消毒臭もなくてとても心地よい入浴感です。あつ湯の方は確かに熱いですが、浸かれない程でもなく、少し熱い程度です。ぬる湯も少しぬるいかなって程度です。湯舟が大きいのでとても気持ちよく利用できました。その奥の方には寝湯と水風呂がありました。寝湯は１人用にしては少し大きめですが、２人では利用できないくらいの中途半端な大きさでした。あつ湯の隣にあり、湯は仕切り部分から流入するので、それなりに熱い湯となっていました。水風呂はどちらかというとぬるめの水風呂です。冷たすぎないので、火照った体を気軽にリセットできます。水風呂の前には飲泉場がありました。蛇口をひねるとドーっと湯がでます。ちょっと熱めの湯ですが、癖のない湯なのでゴクゴクと飲むことができます。常連さんなのか、ペットボトルやポリタンクを持参して、持って帰っている人もいました。飲料として利用しているのでしょか。昔からこの地域ではそのように利用されていたのでしょうね。そういう歴史も受け継がれているお湯なんだなと感じました。

掲載: 2025/10/31

Data

1. 所在地:鹿児島県薩摩川内市樋脇町市比野
2. 源泉名:市比野1号、31号、32号、44号、67号の混合
3. 入浴　:２０２５年６月
4. 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性、アルカリ性、高温泉)
5. 泉温　:源泉47.4度
6. ＰＨ　:９．６
7. ラドン含有量:5.0Bq/kg(1.3×10^-10Ci/kg)
8. 電気伝導率:0.025S/m
9. 密度　:0.9988
10. 蒸発残留物:0.171g/kg
11. 形態　:公衆浴場　男女別
12. 効能　:筋肉・関節の慢性的な痛み又はこわばり、冷え性、疲労回復など
13. 露天風呂:なし
14. 開放度:☆☆
15. 清潔度:☆☆☆
16. 気軽度:☆☆☆
17. 地元度:☆☆☆☆☆
18. 素朴度:☆☆☆
19. 人気度:☆☆☆☆
20. 景色　:☆
21. 総合評価:☆☆☆